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RSウイルス
RSウイルスに感染した場合、多くは一般的なかぜ症候群の症状が見られます。しかし、高齢者や免疫機能が低下している方は、症状が重篤になることもあります。
- 一般的な症状:咳、鼻水、喉の痛み、発熱、頭痛、倦怠感
- 重篤な症状:呼吸困難、喘鳴(息をする時にヒューヒュー音がする)、気管支炎・肺炎
重篤化した場合は、入院が必要となります。命にかかわる可能性もあります。
診断
RSウイルスの感染を調べる検査は、PCR検査と抗原検査があります。
簡易検査としては抗原検査が行われます。RSウイルス感染が抗原検査で陽性となる確率は8〜9割とされていますが、成人ではRSウイルスのウイルス量が少ないため感染していても抗原検査では陰性の結果となることもあります(成人だと感度低め)。
ただし、抗原検査で陽性となったば場合はほぼRSウイルス感染と考えられます(特異度が高い)。
治療
RSウイルスを標的とした薬はありません。そのため、基本は対症療法となります。
- 休養と水分補給
- 発熱・痛みがあれば解熱鎮痛薬
- 咳や痰に対しては、咳止めや去痰薬
- 気道が乾かないように部屋を加湿しましょう
重症化した場合は、入院し酸素投与や点滴治療などが行われます。
RSウイルスのワクチン(60歳以上、任意接種)
60歳以上の成人を対象としたRSウイルスワクチンが発売されています。RSウイルスは一般的に感染するウイルスですが、高齢者が感染すると重症化することがあります。
RSウイルスに対するワクチンは、感染自体を完全に抑えることはできませんが、感染時の重症化や入院を予防する効果が期待されています。
成人用 RSウイルスワクチンの対象
RSウイルスワクチンは本邦では60歳以上の成人が対象で任意接種となります。
費用は補助がないため25,000〜30,000円程度です。接種する施設にお問い合わせください。
任意接種と定期接種
- 任意接種:接種費用は自己負担(自治体によって助成がある場合も)。
- 定期接種:法律に定められた期間で接種した場合は公費負担で無料。
接種方法と間隔
筋肉内注射で接種されます。
本ワクチンの接種は1回のみです。ワクチンの効果は6ヶ月以上持続します。
注意事項
- 有害事象:注射部位の疼痛、易疲労感、筋肉痛、発熱
- アレルギー反応:まれ