CPAP導入の流れ
簡易モニターやポリソムノグラフィーにてCPAPの適応と判断され、患者さんが治療を希望されたらCPAP導入となります。その後の流れは以下のようになります。
- 閉塞性無呼吸が重症でCPAP適応と判断され、治療を希望
- 医師がCPAP指示書に記載
- CPAPを取り扱う業者さんに連絡
- 業者さんより患者さんへ連絡
- 業者さんが患者さん宅へ訪問し、CPAPについて説明
医師がCPAP指示書を発行することから始まります。そこからはCPAP取扱業者さんと患者さんとのやりとりとなります。
CPAP取り扱い業者さんとのやりとり
CPAPを処方されたら患者さんは依頼された業者さんとやりとりすることになります。以下のような内容を調整していきます
CPAPはご自宅での使用を想定しているため、患者さんの自宅でのセッティングが必要となります。業者さんから電話がかかり、自宅を訪問する日程が調整されます。
CPAPの設置や使用方法・注意事項の説明があります。
その際にCPAPマスクのフィッティング調整があります。使用するマスクは医療機関が指定しています。
CPAPは慣れるまでに時間がかかることが少なくありません。小さなトラブルが起こることもあります。その際には取り扱い業者さんのコールセンターを使用し、相談することもできます。
設定の調整(マスクの変更や圧力の変更など)は医療機関との連携が必要になります。
CPAP導入後の外来受診
CPAPの処方が開始となったら、定期的に医療機関を受診することになります。受診時に以下の点についてチェックされます。
- 平均使用時間:目標 4時間以上
- 空気漏れの量:できるだけ少なく
- 無呼吸の状態:AHI 5回/時間 未満が正常
これらの項目はCPAPの装置が使用状況に応じて自動に測定します。測定した内容は携帯電話の回線(CPAP装置に内蔵)を使用して送付され、医療機関で確認することができます。
平均使用時間:目標4時間以上
CPAPの平均使用時間は目標は4時間以上になります。その理由は、睡眠時無呼吸で起こりうる問題をCPAPが改善したとするデータのほとんどで4時間以上使用しているかどうかで判断しているためです。
CPAPは睡眠中にできるだけ使用していただきたい装置です。4時間を目安にしましょう。
空気漏れの量
圧力をかけることで睡眠時無呼吸の状態を完全するCPAPという装置で、空気漏れ(リーク)は効果が低下する原因になります。
マスクのフィッティング不良や口が空いているなどが問題となることがあります。
どのくらい空気漏れがあるのかチェックします。
無呼吸の状態:AHI
睡眠時無呼吸の重症度を決める値がAHI(無呼吸低呼吸指数)です。AHIが高い(=睡眠時無呼吸が重症)の方がCPAPの適応になります。
CPAP装着中に、装置がAHIを自動で測定してくれます。
装着していてもAHIが低い場合は、圧力が低いなどの原因を考えます。正常値であるAHI 0〜5が目標です。
CPAPの費用
CPAPを継続するためには外来受診して、医療費を支払う必要があります。支払った医療費から、業者さんにレンタル代が支払われます。
CPAPによる費用は以下のようになります。
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2 | 250点 |
在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算 | 1,000点 |
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算 | 100点 |
合計 | 1350点(13,500円) |
保険診療です。負担の割合によって支払う額が変わります。
- 3割負担の場合:4,050円
- 1割負担の場合:1,350円