食事で塩分を制限するポイント
塩分(ナトリウム)の取りすぎは血圧上昇に強く影響を与えています。塩分を意識した食事を摂りましょう。
塩分制限の目標は1日6g未満です。これは高血圧の方はもちろんですが、血圧が正常の方も高血圧予防のためには6g未満にすることが望ましいとされています。
塩分を抑えるポイントを提案します。
- 汁はできるだけ飲まない(ラーメン、うどん、みそ汁)
- 漬物や塩蔵品は控える
- 減塩を意識した調味料選び
汁はできるだけ飲まない
麺類のスープには大量の塩分が含まれています。
ラーメンは6〜7g程度、カップ麺なら5g前後、うどんやそばは7g前後
麺にも塩が含まれていることが多いです。麺類を食べる時のポイントはできるだけスープを飲まないことです。
みそ汁は塩分が多い食品の代表の一つです。だいたい1杯で2g程度の塩分が含まれます。毎食、味噌汁を飲むのはやめましょう。みそ汁はたくさんの食材を一品で摂取できる優秀な食品ですが、汁はできるだけ飲まないようにしましょう。
漬物や塩蔵品は控える
漬物を作る際には大量の塩を使います。その塩を漬物たちはたっぷりと吸い上げています。
たくあん漬けなら三切れが約1g程度、梅干しなら1個で2g程度
習慣的に漬物を食べるのは控えた方が良いでしょう。つけものにしょうゆをかける方もいますが、かなりの塩分量であることを意識してください。
塩蔵品は魚介類などを腐敗しないように日持ちさせるために食塩につけたものです。魚卵(たらこ、いくらなど)、魚(塩さば、めざしなど)や塩辛などがあります。
減塩を意識した調味料選び
しょうゆでは小さじ1杯で1g程度の塩分が含まれます。しょうゆを使う時に一度考えてからかけましょう。または、減塩タイプを選びましょう。
出汁を効かせると、塩味が控えめでも満足感が高まります。調理の方法を工夫しましょう。
レモン汁や酢、ハーブ、スパイスを活用すると、塩分を控えながらも風味豊かに仕上がります。しょうゆやみそ、塩を足す前に検討しましょう。
汗をかいた時の塩分は?
汗にはナトリウムが含まれます。汗に含まれる塩分量は0.3~0.4%です。夏に運動してびっしょりと500mlの汗をかいたとすると、約1.5〜2gの塩分が喪失されています。
汗をかくと減塩するのと同じ効果が期待できます。
よほど毎日汗をたくさんかいてなければ塩分制限は続けましょう。長い時間汗をかくような状況にあれば、水分と塩分の補給は重要です。
スポーツドリンクもよいです(ただし、飲み過ぎは良くない)。汗が多いようでしたら、OS-1などの経口補水液も有用です。
バランスの良い食事をとる
バランスの良い食事は、病気のリスクを低下させます。
野菜類、果物、豆類、海藻類をよく食べ、
タンパク質は、肉類よりも魚類や大豆などで摂取しましょう。
カリウムを多く含む食材を取り入れる
高血圧を管理する上で、カリウムの摂取も重要です。
カリウムは血圧上昇の原因となるナトリウムを体の外に押し出す働きがあります。
カリウムを多く含む食品を意識して摂取しましょう。
カリウムを多く含む食品:野菜(ブロッコリーやほうれん草など)、果物(アボガドやバナナなど)、大豆や落花生
日本人の食生活は野菜が不足しています。厚生労働省の「健康日本21」では、1日の野菜(緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ、海藻類)の目標値は350g以上です。しかし、現状では平均野菜摂取量は280g程度とされています。
食事の最初に野菜を食べると満腹感が得られ、塩分やカロリーの摂取量が自然と減ります。
脂質に気を付ける
脂質は高エネギーであり、身体活動する際に重要なエネルギーです。脂質にも種類があり、たくさん食べた方が良い脂肪と控えるべき脂肪があります。
- 食べた方が良い脂質:オリーブオイル、アボカド、青魚に含まれる脂質(EPA・DHA)、ナッツ類
- 控えた方がよい脂質:肉類、加工食品(ソーセージ、ベーコン、ハム;塩分も多い)、乳製品(バター、チーズなど)、一部の油脂(ココナッツオイル、パーム油など)
控えた方がよい脂質は高カロリーであり、肥満や心血管病のリスクにつながります。油を使った料理や控えた方がよい脂質の摂取はできるだけ減らしましょう。
おやつも要注意
食事と食事の間におやつを食べる習慣がある方は特に注意が必要です。スナック菓子や「せんべい・あられ」などには塩分が多く含まれます。
スナック菓子やせんべいの包装をよく見ると「食塩相当量」が記載されています。自分がどのくらい摂取しているのか確認して下さい。
おやつは栄養的に不要であれば摂る必要はありません。もし、おやつを食べる場合は食塩相当量を0.5g未満になるようにコントロールしましょう。
アルコールを控える
飲酒の習慣は血圧を上昇させることがわかっています。飲酒により一時的に血圧がさがることがありますが、習慣的に摂取することが問題となります。
まずは毎日アルコールを飲む行動をやめましょう。飲まなくても大丈夫な生活に変えていきましょう。