健康とは
「健康」とは、「病気でないとか、弱ってないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態にあること」(世界保健機関)と定義されています。
また最近では「ウェルビーイング(well-being)」といった言葉も使われます。「ウェルビーイング」は、「健康」の定義に示されたような多面的に満たされた状態であり、「幸福」とも訳されるように幸福度などが含まれる個人の状態を表すより広い概念です。
「健康」と「ウェルビーイング」を区別するのであれば、「健康」はより身体的な状態にフォーカスされており、「ウェルビーイング」は幸福度、満足度などの感情的な要素が含まれる包括的な表現になります。
健康寿命を意識してみる
健康寿命とは、人が身体的、精神的に健康的な状態で生活を送れる期間です。
一般的に平均寿命は延びていますが、下の図のように平均寿命と健康寿命とは一致していないことが問題となっています。
平均寿命と健康寿命の間で起こること
先の図では、平均寿命と健康寿命の差が男性で8.73年、女性で12.06年あります。この差が意味することはなんでしょうか。
つまり、不健康な状態で亡くなるまで男性で約9年、女性で約12年間過ごすことを示しています。
人生100年時代などと言われるようになった昨今ですが、皆さんが気にされているのは100歳まで生きれるかではなくて、いつまで元気でいられるかだと思います。
平均寿命を伸ばすことよりも、健康寿命を延ばして不健康な期間を短くすることを意識しましょう。
健康を維持することの意味は?
健康寿命を伸ばすことで得られるメリットについて考えてみようと思います。大きく分けて、3つの視点で分けることができます。
- 自分に関すること
- 周囲に関すること
- 社会に関すること
自分に関すること
自分にとって楽しいことややりたいことは人それぞれです。やりたいことができるかどうかは体力や時間が問題になることもあるでしょう。
健康な状態を維持し、健康寿命を伸ばすことができれば、将来の目標を立てて日々を暮らすことができます。
周囲に関すること
年齢を重ねていくと、自分が動けなくなったら家族や周囲の大切な人に負担や迷惑をかけることが心配になってきます。
健康な状態を維持し、健康寿命を伸ばすことができれば、周囲への負担を減らすことができます。
社会に関すること
健康な状態を維持することができれば、医療費や介護費を減らすことができます。
子育て支援など現役世代に公共のお金を回すことができます。2040年に高齢者人口がピークになります。医療費や介護費もピークにせず、分散させることができれば現役世代への負担も減らすことができます。
健康(ヘルス)リテラシーを高めよう!
ヘルスリテラシーとは
ヘルスリテラシーとは、健康に関する正しい情報やサービスを入手し、正しく理解して、効果的に利用する能力を指します。
ヘルスリテラシーが高い人は、自分の健康状態を把握し、予防のための正しい知識を身につけ、行動し、病気になっても重症化を防ぐことができます。
ヘルスリテラシーの差が健康格差につながる
最近は健康に興味がある人の割合が増えてきています。世の中には無数の情報があり、正しい情報とそうでないものが混在していますが、ヘルスリテラシーが高い方はしっかりと正しい情報を集めて適切に行動することができます。
一方で、健康に対して無頓着な方たちは生活習慣の悪さに気づいていないことがあります。
ヘルスリテラシーの差が、時間をかけて健康格差の拡大に繋がっていきます。
80歳または90歳、ひょっとしたら100歳まで生きるとして、その時点でどのような状態でいるのかイマジネーションを働かせましょう。自分の足でしっかり歩いて、親しい人たちと楽しい時間を過ごしたいと思いませんか?
健康であり続けるには、いくつかのコツと日々の努力が必要です。ヘルスリテラシーを高めてできるかぎり健康的な状態を維持していきましょう。
ヘルスリテラシーを高める方法
健康な状態に強く影響するヘルスリテラシーはどうやったら高まっていくのでしょうか。ヘルスリテラシーの高さを決める項目があります。
- 情報収集力:いろいろな情報源から情報を集める
- 情報選択力:自分が求めている情報を選択する
- 情報判断力;情報が信頼できるか判断する
- 情報伝達力:理解して、人に伝える
- 自己決定力:健康改善のための行動を決める
インターネットが発達し、多くの方がスマートフォンを持っています。少し調べると膨大な情報があります。正しい情報を選ぶためには、情報が正しいかを見極める必要があります。
- 本当に事実なのか、批判的に見てみる
- 見た目の数字に流されすぎない
- 情報源が信頼できるのか調べる
- 情報を選択した時のメリット・デメリットを評価する
- 判断に迷う時は専門家に聞いてみる